上賀茂手づくり市

来てくださったみなさん、どうもありがとうございました。

今回はポッド苗を持ったまま途中ですっ転けるという悲劇に見舞われ、朝から非常にバタバタしておりました…
バタバタしたまま、準備をしている間にもたくさん見に来ていただいて、ほんとうに恐縮であります…
うう…

そんなこんなで毎回写真を撮り忘れるんですが、今回、買っていただいたのを「いいすか!」と言って何枚か撮らせていただきました。
手づくり市はこんなのを持って行っています。

鉢は明治〜大正くらいまでのアンティークの器に穴を空けて使っているものが多いです。
古いものなので、ニュウやホツ、割れやヒビがあるものもありますが、食事に使うのでなければ、逆にそれもいい味なんじゃないかなあ、と思っています。
直しの痕なんかも魅力的です。
最近は金接ぎ、金繕いなんかがよく言われますが、江戸末期〜明治中期くらいのものだと、ガラス接ぎをしてあるものもあって、なんとも言えず、使われていた方の面差しが見えるような気がします。

そんなわけで、いくつか写真を撮ってみました。
逆光やアングルなど知らぬ。
ほんとすいません。



器:菊花尽くしの向付(明治初期)
植物:サボテン(幻楽、老楽、品種名不明)、多肉植物(舞乙女、セダム・ヒスパニクム)



器:菊花尽くしの向付(明治初期)
植物:ゴーラム(別名・宇宙の木)

もともとこの菊花尽くしの器は、向付から煮物碗まで揃った懐石用のものだったようです。
ゴーラムの鉢にも使っていますが、小鉢や煮物碗など、いくつかまとめて手許に持っていたものです。
「相当いい料亭さんで使っていたものだと思う」と手に入れた時にも聞きましたが、持ってみると、それがよくわかります。
上手い。
それに上品で美しい。
形も真円ではなく、花型になっています。
それが非常に手に馴染んで持ちやすい。
画像では見にくいですが、器の内側にも菊が描き込んであります。

なんとなく浮世離れした雰囲気だったので、それぞれ少し変わった植物を植え込んでみました。
上の画像は「幻楽(左)」「老楽(右)」と綿毛のあるサボテンがメインです。
逆光で何がなんだかって感じですが、肌の緑が、薄い雲越しに透けて見えるようで、とてもきれいです。
ふわふわの毛の間に伸びるトゲがオレンジっぽいのも素敵。
っていうかまず名前が素敵ですよね。
とんだ素敵セットです。

そしてゴーラム。
これは別名を「宇宙の木」と言います。
その段階で既になぜこの鉢にしたのか、というのがわかりそうなものです。
大宇宙だ…神秘だ…

ちょうど、新暦での重陽の節句がもうすぐですが、菊と言えば中国故事の「菊慈童」。
祇園祭の菊水鉾もこの故事に由来します。
太古、中国皇帝に仕えていた童が、深山へ流されるも、そこに咲く菊に宿る露を口にし、不老不死を得る…というなかなか神秘な仙界物語。
なので、重陽の節句では、菊に綿を載せる「着綿(きせわた)」をし、翌朝その綿に宿った露で身を拭い、薬効、長寿を祈るものであります。
杯に菊の花びらを浮かせる菊酒も同じ由来です。
ちなみにお酒なんかの銘々でよく使われる「菊水」も、菊慈童の住まう山から湧き出すと言われる神水を指します。
非常に好きなモチーフなので、まさに「菊と菊慈童」が描かれた器も持っているのですが、以前「(菊慈童の顔が)怖い」と言われたのがいささか悲しい思い出です…
違うよ…菊慈童は妖怪ではない…
まあ確かにあれちょっと座敷童っぽいけどもやな…
個人的にそういった「菊」や「菊慈童」の描かれた器を食事に使うという、昔の人の気持ちが好きです。
すごく好き。

ちなみに宇宙の木は、かの有名な「金のなる木」の突然変異種です。
金のなる木も品種名は「花月」って言うんですけどね…まあ、金はなってほしいよね…
なので、気温が下がってくると、宇宙の木も紅葉します。
その様子はまさに「珊瑚」。
すっごく好きです。
ぜひぜひ紅葉させてみてください。
器の色合いと相俟って、とてもシックできれいだと思います。
大宇宙だ……



器:鶴の湯呑茶碗(昭和前期)
植物:リトープス

まあ、まったく柄が写っていないわけなんですが。
そこは買っていただいた方に楽しんでいただくとして。
でも語る。

明治や幕末と比べると、比較的新しい器ですが、染付でさらりと描かれた鶴の風情がすごくいい。
羽を閉じて寄り添う鶴が3羽、青と赤、地色の白という非常に少ない色味で表現されています。
描写自体も、一筆書きのような淡泊さ。
けれどもその姿から、描かれている季節が冬、そしておそらく寒さの厳しい頃であろうと推測できます。
ならばこの何も描かれていない背景は、地色そのまま、しんしんと積もる雪の白さであろうか、などと考えると、手先の冷えるような季節、ころんとした厚めの湯呑みでお茶を出される、それを手のひらで包んで話をする、などという光景が浮かんでですね、非常にじんわりします。
いいなあああああああああ

ちなみにこの器の肝は「寄り添う夫婦鶴」の裏に一羽きりで描かれた「三羽目の鶴」。
夫婦鶴だけだと、「はいはい、夫婦和合夫婦和合」という感じですが、この三羽目の鶴が描かれることで、寒さの中で、互いに寄り添ったあたたかさ、一羽きりでじっと耐える雪の静けさ、それになにより、つがいだけではない、周りの群れの気配、のようなものが感じられるような気がします。
今なら「デザイン」と言ってしまうのでしょうが、それだけじゃない雰囲気っていうんでしょうか。
なんだかすごくいいなあ、と思います。


器:盆栽鉢
植物:紫雲丸(Frailea grahliana)

レアリティで行くと三隅(艦これ)。
島風雪風の4に対して、レアリティは3と手に入れやすいかと思いきや、建造不可なのでひたすら4−3を周回してドロップを待つしかありません…
その旅路を諸提督は三隅掘りと呼ぶ…
最近艦これしてます。

レアリティ自体はさほど高くはないのですが、決定的に遭遇する機会が少ない。
それが紫雲丸。
フライレア属の小型サボテンで、盛んに子吹きし、小山のような姿になります。
そして何より名前の通り、深い緑の肌に、ぶどうのような紫がかかる様子が非常に美しい。
不思議に金属や鉱物を思わせる雰囲気があります。
特に日光を浴びている時が、細胞に光が通るのが見えて、ほんとうにきれいです。
美しい。
けれども、いかんせん、普通に探して出会うことはありません。
サボテンの中でも早熟で結実も早いのですが、なにせ小型。
この個体も、高級料亭の胡麻豆腐くらいの大きさです。
でもその株から、これだけの子吹き。
素晴らしい。

ちなみに頭のぴょんぴょんは咲き終わった花殻。
フラレイア属はみんな自家受粉をして結実するので、この株も花の付け根のところに実が膨らんでいるのがわかります。
これが自然と取れる頃には、中に種が出来ているので、ぜひ蒔いて一大フライレア艦隊を築いてみてください。
っていうか紫雲丸、なんかUFOみたいだよね。
かわいい。
お気に入りです。


と、まあ、こんな感じのことを話しながら、手づくり市に出ております。
最後に、上賀茂のブース後ろに生えていたきのこのお写真で失礼いたします。


おれはきのこだ。

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手づくり市の参加予定
・9月28、29日:京丹波手作り市
・10月5、6日:梅小路手づくり市、グリーンフェスタ

朧月




朧月は樹形の暴れやすい品種。
日光を探して頼りなく徒長するというよりは、伸びることこそ!と主張するように力強く茎を延ばす。
しかも上にではなく、滝のように下へ下へと茎がラインを作って、パッと花が咲くように淡いラベンダー色のロゼットが首をもたげる。



昔からある品種なので、長い年月を経て本物の滝のようになっている株もよく見かける。
二階のベランダから、下へ向かって一面に無数のロゼットを作っている姿は圧巻だ。
そのおうちでは、毎年春になると、朧月のカーテンに黄色い花が咲く。
どれくらいそこにそうしているのだろう。
雪も霜も当たるだろうに、真冬でも美しい葉が傷んでいるのを見たことがない。

 

よく「多肉植物ってどれくらい保つの?」と聞かれるけれども、答えるなら、「いくらでも!」だ。
切り花と違って、根も葉もある植物は、育てる限り、育ち続ける。
大きな場所で育てれば大きくなるし、小さな場所なら小さなまま育つ。
それぞれ環境によって日射しや水のやり方なんかの工夫は必要だけれども、育つ様子は美しい。
何より、おもしろい。

朧月は古い品種だ。
気をつけていれば、年月を経た株をあちこちで見かける。
滝のような、川のような、そういう姿の株の多くは、もう何年も手入れをされていない。
葉が落ちればそこからまた新しい芽を伸ばす。

秋、多肉の紅葉が始まります。

手づくり市の参加予定
・9月22日:上賀茂手づくり市(ブース番号172)
・9月28、29日:京丹波手作り市
・10月5、6日:梅小路手づくり市、グリーンフェスタ

姫愁麗のカット苗

カット苗。
九谷焼のお猪口の中に姫愁麗。
後は富士山のお皿にが、時計回りに乙女心、銘月、ゴースティン、黄麗錦。


明日の百万遍の手づくり市に持って行きます。
晴れるといいなあ。
リトープスもあるよ。